富士宮市、芝川町 方言録

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「コミュニケーションマガジン」より転載
発行日/2003年6月1日、2004年5月1日
編 集/JA富士宮総務課
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富士宮市、芝川町 方言録

管内方言の特徴
静岡県の方言は東日本方言と西日本方言の接する地域であり、東部地区は東日本的特徴を、西部地区は西日本的特徴を示しています。
管内東部地区は江戸弁の荒々しい言い回しや、甲信地方の方言に聞かれる特徴を示しながらも、関西地方や名古屋地方の特徴も混ざっています。
また、地域が海沿いに位置するにもかかわらず、富士山を始め高い山が多く、地形・気候が多様なため、様々な生業が存在します。
その為、その生業から生じた独特な言い回しが聞かれます。

方言 意味 使用例
ああぬ< あごをあげる。 この樹はああぬいて見上げるほどだ。
あいさ ものとものの間・隙間 田んぼと畑のあい。、本のぺージのあいさにはさんだ。
あんばらやむ(あん腹病む) 腹をこわす・腹を病む カビた餅を食ってあんばらやんだ
いいちやーほ−きや− 言いたい放題 あいつは、いーちやーほーきやー言いやがる。
いただきました (食事の後の挨拶)ごちそうさまでした (食事の後で)いただきました!
いのく 動く 軽トラがいのいてる。
うっちやらきやーておく 放っておく 大根ををうっちやらきやーておいたら腐った。だだをこねる子はうっちやらきやーておけ!。
うなう 耕す・鍬で畝を作る 耕耘機で畑をうなう・白菜を蒔く畝をうなう
うら 私・俺・僕 うらんちの田んぼの苗
うらっぽ 先・先端 鎌のうらっぽ・稲穂のうらっぽ
うらんこぞう・おらんこぞう 私の息子 うらんこぞうが、こんだ結婚する
うんと たくさん 酒のつまみは、うんとある。
ええかん @たくさんある
A〜に比べて(量を表す形容詞以外につく時は比較の意)
@まだ肥料はええかんある。
A冷夏の夕方は冬よりええかん明るい。
えみいる ヒビが入る この茶碗はえみいってる
おっかにゃー 怖い あの家の親父さんはおっかにゃーよ。
おやす 物がこわれてしまう 鎌の柄をおやしちまった。
おろぬ<・おろぬき @農産物の発芽後の芽を、良い芽を残して間引くこと
A「おろぬき」はその間引きした芽
@白菜をおろぬいて良い芽を残そう
A白菜のおろぬきをみそ汁の具にしたよ。
かーばりつく、 こびりつく 鍋を焦げ付かして、汚れがかーばりついて取れない!
かう 鍵をかける 物騒だから、夜は鍵をかう
かじる ひっかく 蚊に刺されたら、かじっちゃダメ。
かったるい・かったりー だるい・疲れた 野良仕事続きでかったりー.
かまう からかう・相手にする 小さい子をかまうな!。ねー、かまってえー。
きゃーらざー 帰りましょう 家にきゃーらざー
きれいに すっかり(否定的に)ずいぶん「れ」にアクセント 猪に作物をきれいに食われちまった。
くすがる 突き刺さる 釘が足の裏にくすがった
くろ 隅・はし 畑のくろをうなった
こく 言う 馬鹿なことをこくな
こさえる 作る お母さんがお弁当をこさえてくれた
ごやっきゃんなります お世話になります うちの小憎がごやっきゃんなります。
これっばか たったのこれだけ ネギをたんだこれっぱか蒔いたってしょーがにやー
こわい (食物などが)かたい この漬け物はこわい。
(会話末尾に使用して)〜なんですよ。(言い聞かせ賛同を求める意味合いが強い。) あそこが佐野さんの家さ。僕の車はかっこいいさ。
さくい 気さくな 今度の店長さんは、さくい人で、いい人だ
ささらほうさら @散らかしてある。
Aだいなしにする。
@取った草をささらほうさらにしてある。
Aせっかく釣った鯛を、料理の手違いでささらほうさらにした。
しー・しら 一般に人のこと。「しら」は複数形に使用する わけーしー おんなしー あのしら
しとらせる 湿らせる 明日蒔く種をしとらせときな
しなす できが悪い作物 この落花生はしなすばかりだ。
しらっくら ボケッとする 動作が遅い 仕事もしないでしらっくらしてるな!
ずない 気が強い・性格や言葉遣いがきつい 隣の嫁っこはずない。
ずなし・ずつなし
じちなし
だらしがない・面倒くさがり・能力がない あの男は、ほんとずつなしだね。
ずら・だら・ら・ずらか
たらか・らか
@〜でしょう(推量・確定的推量)
A〜でしょうか(疑問・同意を求めた疑問)
@明日は雨だら。
A組合長はいるだらか?
すらつきゃー 嘘つき・なまけもの あの男はすらつきゃーだよ。
せんころ 先日・この問 隣のうちのおじいさんは、せんころ退院した
せんだって 先日 せんだっての会議の件で話しがある。
そこいら そこら辺・辺り おらんおかーはそこいらに居るら
そのいと そのうち おらんおかーはそのいとに帰ってくるよ
だけんが だけれども おらんこぞうの車だけんが何でこんなところにある?
ちゃのこ 朝食 ちゃのこ食って什事するべ。
ちょーきゅう まともに(が定的に使われる) 仕事もちょーきゅうにできない。
ちょーずば 便所・トイレ 漢字で書くと「手洗場」 小便はちょーずばでしなしゃー。
ちょっくりしよ ほんの少し・朝飯前 ちょっくりしょ寄ってくんなそんな仕事なんてちょっくりしょに終わる
ちんぷりこく ふて腐れる 叱られて、ちんぷりこいてやがる。
つっころきやーておく 放っておく 畑からいかい(大きな)石が出てきたから、つっころきやーておいた
つら 〜だったでしょ(過去の推量) この前、農業祭をやっつら。
でのある 十分な・やり甲斐のある 酒一升は飲みでのある量だ。一町歩も耕すなんて、でのある仕事だ。
とぶ・とびっこ 走る とびっこは駆けっこの意味 ぐずぐずしてないで、とんでこい。
にどなり いんげんまめ もう、にどなりは蒔いたかい?
はだって わざと・意図的に はだって、そういうことをする!
はよる はやる・流行する 今時、ケミカルウオッシユのジーパンなんてはよらない
ばんげ 夕飯 ばんげのおかずは何にしよう?
ばんたび  いつもいつも・毎度 内房のたけのこはばんたびイノシシにやられる
ひどろしい まぶしい 太陽がひどろしい。ライトがひどろしい。
ひなる 悲鳴を上げる・甲高い声を出す 子豚を持ち上げたらひなって鳴いた。
ひゃー もう・気づかずに時間が過ぎたとき使用する「早や」の訛りか? ひゃー宿題やった? ひゃーこんな時間だ!
ひる 排泄する(大・小ともに使う) おしっこをひる。
ぶっくらす (人を)たたく この小僧、ぶっくらすぞ!
ふんずぶす 踏みつぶす けーむし(毛虫)をふんずぶした
へさえる 押さえる あのうちは、かかあ天下で旦那さんはへさえつけられている。たくわんを重しでへさえておいた。
へんぽりゃー 変わり者 あいつは、かなりのへんぽりゃーだ。
みるい みずみずしい 柔らかい みる芽摘採 たけのこの先はみるい
めた @早く(命令形に使用する)
A度々
@めた、歩け。
Aあの子は、めた遅刻する。
やーく 歩く 農協までや−んでかざー
やいやい おやおや(驚きを表す) やいやい!キャベッを青虫に食われちまった
やけっつら やけど 熱いお茶を飲んでやけっつらした。
やっきりする
(富士川以西で使用多し)
しゃくにさわる あの小僧にはやっきりする
ゆーぢゃ・よ−ぢや 午後三時ころのおやつ 漢字で書くと「夕茶」夕は時刻。茶は軽い食事を表す。林業から発生の言葉か? そろそろ、よーぢゃにしらざーよ。
よばる 呼び寄せる あんな遠くまで行っちゃって、ちょっとよばって来な!
らちもにゃー ろくでもない・くだらない そんな、らちもにゃー話しをするな。